大学生の就職内定率は92.6%。昨年同期を上回り、過去最高に
 ――2025年3月卒業者の就職内定状況(2月1日現在)

新卒採用の動向

厚生労働省と文部科学省が3月に発表した大学等の2025年3月卒業予定者の就職内定状況(2月1日現在)によると、大学生の就職内定率は92.6%で、前年同期の結果を1.0ポイント上回り、同時点の調査開始(1999年度)以降での最高を記録した。2月現在での大学生の就職内定率は、新型コロナウイルスの影響が及んだ2021年3月卒業予定者のときに89.5%と90%を割り込んだが、その後、4年連続で上昇している。

大学生・男子は91.6%、女子は93.8%

大学生の就職内定率を男女別にみると、男子は前年同期比1.0ポイント増の91.6%で、女子も同1.0ポイント増の93.8%。内定率は女子のほうが2ポイント以上高い。

短期大学の就職内定率は前年同期比0.8ポイント減の84.9%、高等専門学校も同0.8ポイント減で97.9%となっている。専修学校(専門課程)は同2.3ポイント増の87.8%だった。

コロナ禍で落ち込み、2022年3月卒から再び上昇

大学生の就職内定率について、リーマン・ショックの時期までさかのぼってみると、2011年3月卒は77.4%と8割にも満たない水準で、そこから経済の回復とともに年々上昇。2020年3月卒は92.3%と、それまでの最高の水準を記録したが、コロナの影響で2021年3月卒が89.5%まで落ち込み、2年続けて90%を下回った。ただ、2022年3月卒からは再び右肩上がりで上昇している(図表1)。

図表1:大学生の就職内定率の推移(2020年3月卒以降)(単位:%)
画像:図表1

(公表資料から編集部で作成)

男女それぞれについてもさかのぼってみると、男子は、コロナ前は2019年3月卒が91.4%で最も高く、コロナの影響により2021年3月卒で88.1%まで落ち込み、その後、回復が続いている(図表2)。一方、女子は、2020年3月卒が今回と同じ93.8%で、コロナの影響はあっても2021年3月卒は91.2%となんとか90%台は維持し、その後、回復が続いている。

図表2:大学生の男女および短大生・女子別にみた就職内定率の推移(2020年3月卒以降)(単位:%)
画像:図表2

(公表資料から編集部で作成)

短大生の女子についてもみていくと、コロナの影響が最も大きかった2021年3月卒で82.7%まで落ち込み、翌年の2022年3月卒では86.9%に改善したものの、それ以降は低下傾向となっており、2025年3月卒では84.9%となっている。

(調査部)